- スタンフォード式 最高の睡眠とはどんな本か
- 睡眠の役割・効果について
- 睡眠をおろそかにすると起きるデメリット
- 黄金の90分とは?
- 最高の睡眠を作り出す方法① 準備編
- 最高の睡眠を作り出す方法② 覚醒編
- 人生の3分の1を君はどう制する
スタンフォード式 最高の睡眠とはどんな本か
著者はスタンフォード大学で30年以上睡眠研究をしている西野精治さん。
『あなたの睡眠をあなた史上最高にする』をコンセプトに世の中の間違った睡眠方法を紹介したり、効率の良い睡眠ノウハウを科学的エビデンスをもとに解説している本です。
海外の研究データや図式なども本の中に書かれていてとても読みやすい。
睡眠の役割・効果について
休息を与える
人間の身体には自律神経という神経があり活動モードの『交感神経』とリラックスモードの『副交感神経』が代わる代わる働いている。
日中は交感神経が優位で睡眠中や食後は副交感神経が優位になっている。
仕事などで交感神経優位の状態が過多になるとストレスや疲労の蓄積につながるので、睡眠によって身体をリラックスモードにし自律神経のバランスを整えている。
記憶の整理
入眠直後に訪れるノンレム睡眠の時に脳の海馬から大脳皮質に情報が移動し記憶が保存されているという報告がある。
睡眠学習については有力なエビデンスが得られていない。
ホルモンバランスの調整
睡眠中に多く分泌されるグロースホルモン(成長ホルモン)によって筋肉や骨の成長、代謝の正常化がなされ皮膚の保湿量も向上する。
睡眠の乱れは肌荒れにつながる。
免疫力向上
寝不足に陥るとホルモンバランスが崩れて免疫力の低下やアレルギーの悪化に繋がる。
また、ワクチン接種の効果が最適化されないという報告もあるので百害あって一利なしである。睡眠は大事。
脳の老廃物を除去
日中、脳内に溜まった老廃物を睡眠中にまとめてクリーニングしている。
これが正常に行われないとアルツハイマー病などを引き起こす可能性がある。
睡眠をおろそかにすると起きるデメリット
短時間睡眠と長時間睡眠は死亡率が高い
短時間睡眠の人は短命という事は広く知られているが、逆に長時間睡眠も身体に良くないことが証明されている。
ショートスリーパーについては遺伝的要素が強いので例外になる。
眠らない女性は太りやすい
睡眠時間が短い女性は太りやすいという結果が出ている。
また、昼寝が1日1時間以上ある人は糖尿病や認知症のリスクが高いこともわかっている。
睡眠負債による損失
寝不足により睡眠負債が蓄積されるとマイクロスリープ(瞬間的居眠り)が発生し仕事中居眠りをしたり、交通事故に繋がる。
週末の寝溜めなどでは睡眠負債は解消されない。根本的な睡眠習慣の改善が不可欠。
黄金の90分とは?
黄金の90分とは眠り始めに来る深い睡眠(ノンレム睡眠)のことをいう。
寝始めの一番深いノンレム睡眠中はグロースホルモンが最も多く分泌され細胞の増殖、正常な代謝促進が行われる。睡眠欲求(睡眠圧)の解放も黄金の90分の間に多く解放される。
ストレスや冷え性、肩こりの原因にもなる自律神経をしっかり整えるためにも黄金の90分は絶対に逃してはいけない重要基礎である。
最高の睡眠を作り出す方法① 準備編
体温を上げる・下げる・縮める 就寝90分前の入浴
入眠の仕組みは皮膚温度(手足)と深部体温(身体の内部)の差を縮めることで人は眠りに入る。
入浴で深部体温を上げると身体は上がった分だけ体温を下げようとする性質がある→皮膚温度と深部体温の差が縮まりスムーズに入眠できる。
(すぐ寝たい場合は深部体温を上げすぎないようにする為に、シャワーを浴びると良い)
靴下は好ましくない
靴下を履くと足からの熱放散が妨げられてしまうので深部体温がうまく下がらず入眠の助けにならない。
入眠のパターン・習慣化
枕など普段使っている就寝アイテムを固定化して心地よい環境を作り出す。
寝る前は退屈を歓迎する
大事なことをする時間を朝に変えて、夜は考え事をする時間を減らす。勉強や仕事をすると脳が覚醒して寝つきが悪くなってしまう。
最高の睡眠を作り出す方法② 覚醒編
どう起きているかで、ぐっすりが決まる 不眠症は朝から始まる
最高の睡眠は朝から始まっている。過度な昼寝は夜の入眠に悪影響をもたらすので注意。
光(太陽)を活用する
光の刺激が脳の活性化に影響を与えている。朝の光を浴びて覚醒スイッチを入れよう。
(寝室の豆電球程度の明かりで肥満や代謝異常のリスクが増加する恐れがあるという研究結果もある)
深部体温との差を広げて覚醒を促す
手を冷たい水で洗うことで皮膚温度を下げ深部体温の差を広げる。
朝は裸足で床を歩き、皮膚温度を下げて身体を覚醒モードにする。
夕食をしっかりとる
夕食を抜くと覚醒物質オレキシンが分泌され食欲増大につながり寝つきが逆に悪くなってしまう。夜更かしをすると余計にお菓子などを食べてしまうのはこれが原因とされている。
午後の睡魔対策は?
ガムを食べる→咀嚼をすることで脳に刺激が伝わり行動にメリハリがつく。
会話をする→発言は強い覚醒スイッチになる。
コーヒーを飲む→カフェイン摂取。
人生の3分の1を君はどう制する
個人差はあれど人間の理想的な睡眠時間は約7.5時間と言われています。人生の3分の1をベッドの上で過ごすと考えると睡眠の質は人生の質に深く関わってきます。
睡眠の質を改善したことでフリースローの成功率がアップしたという研究結果があったり、オリンピックを目指すトップアスリートほど睡眠を重要視する傾向にあるという調査結果も出ています。
もしあなたが健康的な生活を求めていたり、ビジネスパーソンとして活躍したいと考えているのであれば、最高の睡眠を身につける必要があるかもしれません。